21世紀に世界経済を席巻すると言われるBRICs(ブリックス)4ヶ国。その中でも、世界第3位の経済力を誇るようになると見られるインドは、かつて滅亡を経験し、英国の長い支配の中で苦しみ続け、独立達成後も流血に苦しみ続けた国であった。そんなインドが、いかにして現在のIT大国としての地位を築き、21世紀への輝かしい未来への道を開いたか。独立の志士たちの苦しみと栄光、そしてインドの将来について、書いた。
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15. Made in インド・世界の工場へ
インド経済のもうひとつのアドバンテージは、豊富でなおかつ勤勉・教育のある労働力を背景にした世界の工場としてのそれである。
BRICs(ブリックス)4ヶ国のうち、資源供給国としての側面が強いのが、ブラジルとロシアであり、それらの資源を使い製品を製造することによって製造業界の伸張が期待されているのが中国とインドである。
ところで、物を作るのに必要なのが、油である。
2003年のイラク侵攻から2005年のイラク総選挙実施と、予断を許さないとはいえ、イラクはまがりなりにも復興の道を歩んでいる。
イラク復興に必要な資金を、提供するのが、インドその他の第二次産業型の国々からの需要の増加と、それに伴う原油高である。(先進国の一部では、中東原油依存体制からの脱却をはかる動きがある。)そしてなによりもイラクの復興と安定化を願うのはアメリカであり、欧州諸国であり、そしてほとんどすべての国々である。直接的な利害関係で言えば、アメリカや欧州、そして中国・ロシアといった現在の大国群はイラクが石油で儲けることを望んでおり、その石油を輸入することによってインドの製造業も成長するとすれば、インドの経済的成長を願うのは、アメリカにほかならない。
繰り返しになるが、この面でのインドの強みは、その人口である。さらにかつての日本がそうであり、今の中国がそうであるように、賃金が先進諸国と比べても安い。いま、世界は「Made in China」に席巻されているが、ポスト中国・あるいは中国でまかないきれない需要を満たす製造国として、インドは注目されている。
それは、インド自身もまた、積極的な外資導入とともに政策として望んでいることである。
それを果たすことによって、まとめてしまえば二つのベニフィットがある。
ひとつは、金が入ってくることである。この金は、なによりインド国民自身の購買力の向上につながるし、なによりも国内インフラの整備につながる。これは金が入ってくる結果としてのインフラ整備と、金(外資)を入れるためのインフラ整備(流通の改善その他)がある。どちらにせよ、そうしたインフラ整備そのものがインド国内の産業発展にさらに貢献するし、インド経済の強化に役立つ。
さらにはそうした製造に有利な環境を武器に、外資系の工場を誘致し、インド全体の技術の底上げが期待できる。
これら二つのモデルは、過去に中国が行った政策でもある。ひるがえってみれば、時代が違うから一概にはいえないが、日本そのものがたどった道筋ともいえなくもない。
すでに、トヨタ・テルモ・三菱などの日本大手が、試験的な進出を始めている。その他の外国資本の進出も、今後増えることはあっても減ることはないだろう。こうして現地で作られた製品が、世界を席巻する日も、そう遠くないかもしれない。
こうして世界に物を提供する一方、インドはまた将来有望な世界の市場でもある。つぎには、そのことに付いて触れたい。
