21世紀に世界経済を席巻すると言われるBRICs(ブリックス)4ヶ国。その中でも、世界第3位の経済力を誇るようになると見られるインドは、かつて滅亡を経験し、英国の長い支配の中で苦しみ続け、独立達成後も流血に苦しみ続けた国であった。そんなインドが、いかにして現在のIT大国としての地位を築き、21世紀への輝かしい未来への道を開いたか。独立の志士たちの苦しみと栄光、そしてインドの将来について、書いた。
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17. インドと戦争・経済への影響
大英帝国の世界支配は、その分断政策によって特徴付けられる。
インドにおいてそれは、ヒンズー教徒とイスラム教徒の反感をあおることによって、反英勢力を分散させることによって達成された。
おなじような施策の犠牲になった国としては、スーダンが上げられる。いまだに残る民族間の反感と、先年(2005年)に起こった国内での`虐殺などは、すべてイギリスの植民地支配をその怨恨の起原としている。
英領インドもまた、独立時にインドとパキスタンに分裂した。
かつてのムガール帝国がイスラム教国であったことを考えれば、ヒンズー教徒とイスラム教徒の棲み分けは仕方が無いことだったかもしれない。しかし、地図の上で線を引いてみても、人間というのはそう都合よく固まって住んでいるものではなく、ヒンズー・ムスリム境界地域の帰属をめぐり、両国は独立以前からの闘争をはじめた。
インド軍、パキスタン軍ともに英軍の一部として実戦を経てきたつわものどもである。国が出来る前に、すでに戦争のできる軍隊があった。
そして独立への闘争に向けたエネルギーが、そのまま外へ向けられたようにして、両国は戦争を繰り返した。インドの人々も、パキスタンの人々も、
両国の戦争の詳細については、ここでは措く。
71年のバングラディシュのパキスタンからの分離・独立と、九十年代後半の印パ核実験についてのみ、ここでは触れておく。
とくに核実験に続いて起こった各国のインドに対する制裁は、湾岸戦争後の不況を自由化によって乗り切ろうとしていたインド経済に打撃を与えた。
2001年の9月1日に、おそらくは世界中の何百万人という人間の運命を変えた同時多発テロが起こる。それは、インドとパキスタンの運命も変えた。
アフガニスタンへの空爆と侵攻の過程で、隣国であるパキスタンの協力が必要であった米国は、パキスタン安定のためにインドとの関係改善をはかる。
経済制裁による弊害にあきあきしていた両国も、それに乗る形で両国の関係改善をはかる。米国に追従した各国も、つぎつぎと経済制裁を解除していく。いま、その結果の経済改善にの波にのる両国が、あえて関係を悪化させる必要も無い。
いいことか悪いことかは別として、インドとパキスタンは、現在は米国と国際社会に黙認の形でみとめられた核保有国である。
その経過はともかくとして、両国のあいだの紛争が落ち着き、友好的な関係が築かれつつあることは、善しとすべきだろう。
とくにその潜在的な経済力と影響力を武器に、インドの「Presence・存在感」は確実に増していく。
多少の不安要素はあっても、インド経済と、なにより人々の未来は、明るいといっていい。
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